ブログ更新しました(めまい~自律神経の乱れ~)
当院には「めまい」を患ってご来院される患者さんも多くいらっしゃいます。
今回はその「めまい」について、東洋医学的な見方、自律神経的な見方、その鍼灸経絡治療を紹介していきます。
東洋医学で「めまい」を考える場合、身体の全体的なバランス、陰陽、五行の調和に密接に関連しています。めまいは、単なる症状として捉えるのではなく、全体的にみた身体や心の不均衡の結果として東洋医学的に理解されます。この観点から、以下のような説明が可能です。
まず、自律神経は身体の内部環境を整える役割を果たしていますが、ストレスや生活習慣によってそのバランスが崩れることがあります。
東洋医学では、自律神経の乱れを気の巡りの乱れとして捉えており、この「気」の停滞や不足がめまいを引き起こす原因になるとされています。
例えば、過度の精神的ストレスが続くと「気」の流れが滞り、これが身体の働きにも影響を及ぼすため、めまいなどの症状が現れやすくなります。
次に、東洋医学の中心的概念の陰陽論では、身体の調和を陰と陽のバランスで説明します。
陰が不足すると冷えや虚弱が、陽が過剰になると過熱や興奮が起こるため、身体の正常な働きが失われることがあります。
めまいは、この陰陽バランスの崩れによるものと見ることもでき、陰が弱まり陽が過剰になることで血液や気の巡りが乱れ、頭部の不快感があらわれます。
さらに、五行論では「木・火・土・金・水」の五つのエネルギーが身体と自然界を支配しているとされます。
それぞれの五行は、対応する臓器や感覚機能に関連付けられており、めまいは特定の五行が不均衡になった際に発生することが考えられます。
例えば、「木」は肝臓、「水」は腎臓と関係が深く、肝が弱まり「気」が上逆する場合や、腎の働きが低下して生命力(精)が不足する場合に、めまいの原因となることがあります。また、土が弱いと身体全体の安定感が損なわれ、それが原因でふらつきが生じることがあります。
東洋医学では治療に際して、全体的なバランスの回復を重視します。
例えば、鍼灸や漢方薬、食事療法を活用して「気」を整え、陰陽の調和を取り戻すことを目指します。
生活習慣の改善や適度な運動、ストレス管理も重要であり、これらが自律神経系や五行のバランスを整える助けになります。
まとめると、東洋医学におけるめまいの捉え方は、個々の症状ではなく、身体全体の調和が崩れた結果として見られます。
自律神経、陰陽のバランス、五行の調和がどれも深く関わっており、これらを総合的に理解することで、根本的な解決策が導かれる可能性があります。
こうした東洋医学の視点は、めまいの治療だけでなく、日常生活における健康の維持にも役立つ知識となるでしょう。