東洋医学の考え方~五行論・五臓論~|大阪で自律神経の調整なら、さかみ鍼灸院へ

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東洋医学の考え方~五行論・五臓論~

  • 鍼灸・経絡治療

古代中国の医学理論について書いてみます。

中国の自然哲学には、五行論といって世界は木火土金水の5つの要素ですべてができている、すべての働き、作用がその5つの要素で説明できるという根本原理があります。森羅万象が木火土金水でできているのだから、人間の身体も木火土金水の要素でできているはず、と昔の人は考えました。

そして気の性質を持った臓器を肝と考え、火の性質を持った臓器を心、土は脾で消化器系、金は肺で呼吸器系、水は腎とそれぞれをあてはめたのです。

肝臓は今では酒の飲みすぎは肝臓に悪いなどと、まるでアルコールの分解のための臓器のように言われますが、本来は人体における一大化学コンビナートであり、アルコールや薬物は勿論、体の中で絶えず発生する老廃物を分解処理してリサイクルしたり無害化する働きをもっています。また肝っ玉、肝試しからわかるように昔の人は喜怒哀楽の感情を統御する働きも肝臓にあると考えました。

さらに、火は気を燃料として燃え、土は気に養分を奪われるという五行論の原理から、肝は心の働きを促進し、脾・消化器系の働きを抑制するという学説が生まれました。

確かに感情が高ぶってくると心臓が動悸しますし、強い感情に支配されてストレス状態になると胃の具合が悪くなります。同じように、土の中から金属が掘り出されて土が金を生み出す。水の流れは土によって堰き止められるという事実から、脾は肺の働きを助け腎の働きを抑えると考えたのです。このように木火土金水の5要素は隣り合うものを助け、さらにもう一つとなりのものを抑制するというのが五行論の考えです。

先ほどから臓器と呼んでいますが、脾が消化器系全体をさすと分かるように、臓器というよりは木肝経とか生体のシステムといったほうがよいようです。5つの大きな生体システムが互いを支援したり牽制し合って生体の恒常性(ホメオスタシス)を保っている。これが五臓論といわれる東洋医学の根本理論です。