冬から春へ――ゆらぎやすい季節に起こる不調とは ~やさしく整える心とからだのケア~
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冬の寒さが少しずつゆるみ、春の気配が近づいてくると、体調がなんとなく不安定になる方が増えてきます。
「だるい」「眠い」「肩こりがひどい」「気分が落ち込みやすい」など・・・。
理由がはっきりしない不調が出やすい時期です。
今回は、なぜ季節の変わり目に体がゆらぎやすくなるのか、西洋医学と東洋医学の両面からわかりやすく解説し、セルフケアや鍼灸治療の役割についてもお伝えします。
1. 寒暖差が負担に――自律神経が疲れやすい季節
冬から春にかけては、朝晩は冷え込むのに日中は暖かいなど、気温差がとても大きくなります。
●西洋医学の視点
体温を調整するために、自律神経は常に働いています。
気温差が激しいと、この調整が追いつかず、自律神経が疲れてしまい、
○ 頭痛
○ めまい
○ だるさ
○ 睡眠の質の低下
○ 動悸
などが起こりやすくなります。
●東洋医学の視点
東洋医学では、春は「肝(かん)」という臓の働きが活発になる季節と考えます。
肝は、寒暖差やストレスが重なると気が滞りやすくなり、
○ イライラ
○ 目の疲れ
○ 肩こり
○ 胸の張り
などの症状が出やすくなります。
2. 春の“だるさ”は体の切り替えサイン**
「春になると眠くて仕方ない」「体が重い」という声はとても多いものです。
●西洋医学の視点
春は日照時間が伸び、体内時計を調整するホルモンのバランスが変化します。
この変化に体が慣れるまで、
○ 日中の眠気
○ 倦怠感
○ 集中力の低下
が起こりやすくなります。
また、冬の間に落ちていた代謝が春に向けて上がるタイミングでもあるため、体が“切り替えモード”に入り、一時的に疲れを感じやすくなることもあります。
●東洋医学の視点
春は「発陳(はっちん)」といって、冬にため込んだエネルギーを外へ発散する季節です。
この切り替えがスムーズにいかないと、気血の巡りが乱れ、だるさや眠気として現れます。
3. 季節の変わり目に増えるその他の不調
●アレルギー症状
花粉や黄砂の影響で、鼻水・くしゃみ・目のかゆみが強くなる季節です。
自律神経が乱れていると免疫バランスも崩れやすく、症状が悪化しやすくなります。
●肩こり・頭痛
気温差で血管が収縮・拡張を繰り返すため、筋肉が緊張しやすくなり、肩こりや頭痛が増えることがあります。
●気分の落ち込み
春は環境の変化が多く、ストレスが増えやすい季節。自律神経の乱れと重なることで、気分が沈みやすくなる方もいます。
4. 今日からできるやさしいセルフケア
●① 首・手首・足首を冷やさない
春でも冷えは大敵。
薄手のストールやレッグウォーマーで“3つの首”を温めると、自律神経が整いやすくなります。
●② 朝の光を浴びる
起きてから10〜15分ほど日光を浴びると、体内時計が整い、眠気やだるさの改善につながります。
●③ 軽い運動で巡りをサポート
ウォーキングやストレッチは、気血の巡りを良くし、自律神経のバランスを整える助けになります。
●④ ゆっくり深呼吸
深い呼吸は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
1日数回、ゆっくり息を吐く時間をつくるだけでも効果的です。
●⑤ 春の食材を取り入れる
東洋医学では、春は酸味のある食材(梅、柑橘類、酢)が肝の働きを助けるとされます。
菜の花、春キャベツ、新玉ねぎなどの旬の野菜もおすすめです。
5. 鍼灸が季節の不調に役立つ理由
鍼灸は、自律神経のバランスを整え、気血の巡りを改善することを得意としています。
●西洋医学的な効果
研究では、鍼刺激が
○ 自律神経の調整
○ 血流改善
○ 筋肉の緊張緩和
○ 痛みの軽減
に関わることが示されています。
季節の変わり目に多い、頭痛・肩こり・倦怠感・不眠などの症状に特に有効です。
●東洋医学的な効果
鍼灸は経絡を通して気血の流れを整え、春に乱れやすい「肝」の働きをサポートします。
その結果、
○ イライラ
○ だるさ
○ 自律神経の乱れ
などの改善が期待できます。
6. ゆらぎの季節を心地よく過ごすために
冬から春への移り変わりは、体が環境に適応するための大切な時期です。
不調が出やすいのは自然なことですが、少しのセルフケアと鍼灸治療を取り入れることで、心身のバランスを整え、春を気持ちよく迎えることができます。
「最近なんとなく調子が出ない」「疲れが抜けにくい」と感じる方は、季節の影響が関係しているかもしれません。
無理をせず、体の声に耳を傾けながら、必要に応じて専門のケアを活用してみてください。




